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うがいは口臭に効果がある?臭いの原因や効果的なうがいのやり方

目次

口臭が気になって、「相手に近づけない」「大きな声で話せない」「マスクを外せない」といった悩みはありませんか?

口臭を気にする人は多く、日本歯科医師会の調べでは、約8割の人が「自分の口臭が気になる」と回答しており、日本人の歯や口の悩みの3位(27.1%)に入ります(10~70代男女1万人の意識調査、2016年、複数回答可)。

ガムやタブレットをかむなどの一時的な対策はありますが、口臭の悩みを解消するためには、口臭の原因や要因を知り、適切なアプローチをする必要があるでしょう。

さまざまなお口のケアがありますが、今回紹介するのは「うがい」です。ぜひ最後までご覧ください。


◎口臭について
この記事では、一般的な口臭を取り上げています。専門的には生理的口臭と呼ばれるものです。耳鼻咽喉科疾患や内科疾患などの病気(副鼻腔炎、胃腸疾患、糖尿病など)による病的口臭は除外していますのでご注意ください。病的口臭には原因疾患の治療が必要になります。

気になる口臭にうがいは有効?

結論からお伝えすると、うがいは口臭対策として効果的です。

口臭の主な原因には、
①口腔内の細菌(口腔内細菌)
②口腔内の乾燥
③におい玉(陰窩膿栓)
の3つがあります。

うがいは、これら3つの原因に直接アプローチすることが可能です。

【口臭原因①】 口腔内の細菌

嫌な口臭は、口の中に残った食べカス(食物残渣)や死んだ細胞などのタンパク質を細菌が分解する際に発生する臭気物質(ガス)が原因です。

代表的な臭気物質は揮発性硫黄化合物(VSC)で、
・卵が腐ったような臭いのガス(硫化水素)
・野菜が腐ったような臭いのガス(メチルメルカプタン)
・生ごみのような臭いのガス(ジメチルサルファイド)
が混ざり合った化合物です。

うがいにより、口腔内の細菌や食べカスなどを洗い流せば、臭気物質の発生を抑制できます。

【口臭原因②】 口腔内の乾燥

口の中が乾燥すると、唾液による殺菌・自浄効果が低下し、臭気レベルが高まります。

しっかりうがいすると口周囲の筋肉が動かされるので唾液分泌が促進され、口腔内乾燥を防ぐことができます。

【口臭原因③】 におい玉(陰窩膿栓)

におい玉は、臭玉(くさだま)ともいい、専門用語では陰窩膿栓(いんかのうせん)と呼ばれます。喉の奥にあるくぼみ(扁桃腺のくぼみ)にある小さな白いかたまりで、口臭の隠れた原因として近年注目されています。


細菌や死んだ細胞、食べ物のカス、ミネラルなどがくぼみにたまってできるものですが、「細菌のかたまり」と言ってよいでしょう。多くは3~5mm、大きなものだと1cm近くにもなります。

におい玉は、うがいによって玉を小さくしたり、取れやすくしたりすることが可能です。うがいの最中に取れることもあるようです。


なお、口臭は口の中に常在する細菌がタンパク質を分解する際に発生するガスが中心であるため、「口臭をゼロ」にすることはできません。口臭ケアの基本的な指標は「第三者が不快に感じるレベルかどうか」です。実際に検査機器や歯科医院の口臭外来などで客観的な測定もできます。

実際に口臭レベルが低いのに「自分に口臭がある」と思い込む病気(仮性口臭症、口臭恐怖症)などもあります。過度に悩んでストレスを抱えないようにしましょう。

口臭予防に効果的な「うがい」のタイミング


うがいは効果的な口臭対策ですが、タイミングが重要です。口臭が強くなる時間帯などに行いましょう。

●起床時、空腹時、夕方

口臭は、朝起きたとき、食事の前のお腹がすいたとき、夕食前、に強くなります。それぞれ唾液の分泌が減少すること、食事や歯磨きの機会から時間が空くことが原因です。

朝起きたときの口臭は「起床時口臭」、お腹がすいたときの口臭は「空腹時口臭」と呼ばれ、特に口臭が強くなるタイミングです。起床時口臭が最も強い理由は、就寝時は唾液分泌がほとんどなく口腔内細菌が爆発的に増殖するためです。次に強いのは夕食前の空腹時口臭で、疲労による口臭レベルの上昇に加えて空腹が加わることがその理由です。

●お酒やコーヒーを飲んだ後

アルコールやカフェインを含む飲料は、それ自体ににおいがあるほか、利尿作用があること、唾液の分泌を抑制する働きがあります。うがいで口の中を洗い流し、唾液腺を刺激するとよいでしょう。

●タバコを吸った後

タバコによる影響はアルコールやカフェインよりもさらに深刻です。タバコは口腔粘膜の血流を悪くし、タバコそのものの高熱で口腔内を乾燥させるだけでなく、歯肉の健康を害します。有害物質のタールやニコチンも歯肉に直接的な悪影響をもたらし、歯周病の原因となるプラーク(歯垢)や歯石が付着しやすい状況をつくるのです。

タバコを吸った後は、なるべく早くしっかりとうがいをするとよいでしょう。

●口内の渇きを感じたとき

口の中で渇きや、ネバネバする感覚を覚えたときも、うがいをするタイミングです。口の中を直接潤すだけでなく、唾液腺が刺激されることによっても唾液の分泌が促進します。

口臭に効くうがいのやり方


うがいには、口の中をゆすぐ「ブクブクうがい」と、喉をゆすぐ「オオオ~うがい」があり、両方を組み合わせるのが効果的です。歯磨き前にも「ブクブク」と「オオオ~」両方のうがいをしましょう。また、ブクブクうがいのあとにオオオ~うがいするといった順番も大切です。

Step1.ブクブクうがい×1回

口にペットボトルのキャップ1〜2杯程度の水(5〜10cc)を含み、頬を左右に動かしたり頬を膨らませたり口唇を付きだしたりして口の中をゆすぎます。
口の中全体にいきわたるようにしっかりと強めにブクブクさせてから吐き出します。

ブクブクうがいは、食べカスを洗い流すのが目的のため、歯の間に水が通るようなイメージでするとよいでしょう。

Step2.オオオ~うがい×2回

口に水を含み、顔を上に向け、上を向いて、「オオオ~」と発声してうがいをします。冷たい水が口の中で温かく感じてきたら吐き出してください。

口臭が気になる方はうがいだけでなく歯磨きにも一工夫

ここまで、口臭対策としての「うがいの重要性」について解説してきました。

記事中では水を使ったうがいを説明してきましたが、うがい液を使う工夫も考えられます。

うがいと同様に、歯磨き粉も一工夫してみませんか?

これまでさまざまに口臭を予防・除去する方法を述べましたが、違ったアプローチも紹介します。口腔内細菌には様々な種類があり、すべての細菌が悪いわけではありません。善玉菌、日和見菌(有害・無害どちらにもなり得る菌)、悪玉菌のバランスが良好に保たれていることが重要です。

そうした口腔内の細菌たちが集まる世界=口腔内フローラの視点で開発された歯磨き粉の使用もおすすめです。


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※歯周病:歯周炎(歯槽膿漏)・歯肉炎の総称

監修:牧浦 倫子

大学を卒業後、口腔外科の医局に3年間在籍、その後数カ所の関連病院に出向。病院では
「抗血栓療法中患者の抜歯の管理」「糖尿病患者さんの口腔ケア」などに取り組む。病院退職後、父の診療所を継承、現在に至る。地域の医科と連携して患者さんのサポート、口腔機能向上に努める。最近は歯科の観点からの栄養指導も取り組み始めている。

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SARAYAは、1952年に日本で初めて「薬用石けん液」を開発し、感染対策に取り組んできた医薬品メーカーです。人類最大の感染症と言われる「歯周病」の対策は、健康な社会を実現するための重要な課題と考え、オーラルケアの研究を進めています。