プロが教える除菌のポイント・コツ

レストランやホテルなど、外食施設での食事が原因だと思われがちな「食中毒」ですが、実は外食に続いて多発しているのが"一般家庭"だとご存知でしたか?(厚生労働省ホームページ:平成24年食中毒発生状況(H25 3/27報告)より)

家庭の中でもキッチンは、野菜や肉、魚などの調理のため "汚れ"がつきやすく、また"水気"が多いうえに加熱調理で"温度"も上がりやすいため、菌が繁殖しやすい好条件(「栄養(汚れ)」・「水分(湿度)」・「温度」)が揃っています。

つまり、一見キレイに見える包丁やまな板、調理台などのキッチン周りには見えない菌が多く潜んでいます。まずはキッチンのどこが汚れていて、菌やカビが繁殖しているのか知ることが大切 !
菌が繁殖しやすいそれぞれのシーンに応じた除菌のポイントやコツを除菌王子がわかりやすくご紹介します。

Let's安心Cooking! プロが教える除菌のポイント・コツ

サラヤ バイオケミカル研究所 隈下研究員

高温多湿の環境で繁殖しやすい菌やカビの増殖を防ぐためには、次の3つがポイントです!
「洗って」「拭いて」「除菌」の3ステップでLet's除菌Cooking!

  • 食べものなどの"汚れ"をこまめに落として栄養源をなくすこと。
  • "水分"は残さないように拭き取ること。
  • アルコール除菌スプレーを使って、こまめに"除菌"すること。
注)各シーンに明記している菌の数は、複数のサンプル場所から取れた平均菌数です。

<キッチンアルペットの除菌力を実証>
シュッとスプレーするだけで、瞬時に菌の動きを止めます!

水切りカゴの水受けに多く繁殖した菌にキッチンアルペットを噴射すると、瞬時に菌の動きが止まりました。

(サラヤ バイオケミカル研究所調べ)

【実験方法】

  1. 水切りカゴ(受け皿)から採取した菌を、寒天培地を用いて37℃で1日間培養。
  2. コロニーを採取し、普通ブイヨンに懸濁。
  3. 懸濁液0.1mLをプランクトン計数板に入れ、位相差顕微鏡(1,000倍)にて観察。
  4. キッチンアルペット0.1mLをプランクトン計数板に接種し、位相差顕微鏡(1,000倍)にて観察。

キッチン周りに潜む代表的な菌

大腸菌群

大腸菌群は、人や動物の糞便とは直接関係のない自然界にも広く存在することから、衛生管理において"汚染の指標"とされています。
代表的な大腸菌に、腸管出血性大腸菌O157があります。

潜伏期間:1〜10日
発熱や激しい腹痛、水溶性の下痢、血便、吐き気、嘔吐など。初期症状が風邪などに似ているため、見過ごしやすいので手遅れに要注意!

セレウス菌

熱に強いため、増殖力が非常に強い菌。嘔吐型と下痢型の2種類あり、嘔吐型は主にごはん(米飯)などの食品の中で増殖するときに毒素をつくります。30℃前後で最も活発となり、冷めた調理済みの食品の中で急激に増殖するので要注意!

潜伏期間:嘔吐型は30分〜6時間、下痢型は8〜16時間
嘔吐型は激しい吐き気、嘔吐など。下痢型は腹痛や下痢など。

黄色ブドウ球菌

汚染された食品の中で増殖するとき、熱や乾燥に強い「エンテロトキシン」という毒素をつくる菌。毒素は100℃、30分の加熱でも無毒化されず、強い酸性やアルカリ性の中でも増殖できます。

潜伏期間:30分〜6時間
激しい吐き気や嘔吐、下痢、腹痛など。まれに発熱などの症状がでるが、通常1〜2日程度で自然回復します。脱水症状に要注意!